公開講座「音楽とテクノロジーの関係」レポート(1/3)
芝浦工大2019年後期公開講座「~未来を創造する~音楽とテクノロジーの関係」が実施されました。
音楽は常にその時代の技術の恩恵を被り、また技術に影響を与えてきました。本講座では「音楽とテクノロジー」を、各分野の専門家を迎えて様々な視点から俯瞰し、また一緒に将来を考えるという企画趣旨で実施しました。
第1回は10月18(金)18:30-20:30『~VOCALOIDの父が語る~音楽と数学とコンピュータの楽しい関係』と題して行われました。
特別講師はヤマハでVOCALOIDの開発を主導し”VOCALOIDの父”と称される剣持秀紀氏。
ピタゴラスの発見に始まる音楽と数学の密接な関係から説き起こし、楽音や音律の本質を、講師が奏でるバイオリンの音で音階やハーモニーの本質を確認しました。
コンピューターの発明以来、人間は音楽を「計算」によって実現しようとしてきたこと。その延長として、歌声合成の技術「VOCALOID」がどう生まれ「自然な歌声」をどのように実現してきたのかを、開発者ならではの視点で実演と解説をいただきました。音符と歌詞を画面上に配置していくだけでアッという間に歌声ができあがるのを見たのは始めたの方が多かったのではないでしょうか。
AIを応用した最新の歌声合成技術の紹介もあり、技術は人間にどこまで近づけるのか、単に音楽にとどまらない哲学的な課題にまで踏み込んでの将来展望にまで及びました。
VOCALOIDは、第3次産業革命(情報通信革命)の産物とも言えるものであり、1983年に規格化されたMIDIとともに、日本が世界の文化と技術発展に貢献した例としても重要であるということが確認されました。
https://extension-programs.shibaura-it.ac.jp/otc/otc_shibaura/7936.php