リレーBLOG第8弾「趣味の登山と異業種交流」

芝浦MOTリレーBLOG、河辺さんから引継ぎ、第8弾を担当する8期生の小田です。

最近もっともはまっている私の趣味は、登山です。今回は、登山と異業種交流についてお話しさせて頂きます。

難関コースの北鎌尾根から見た槍ケ岳
1.登山歴について

私の登山は、2005年から始めた家族とのオートキャンプがきっかけです。2006年に岐阜の平湯でキャンプをした時、初日に上高地へ行き、観光センターの双眼鏡で山のてっぺん(奥穂高岳 標高3190m)を見せてもらうと頂上に人が見えました。その時は、この人達は山登りのプロだと思っていました。翌日、バスでほとんど頂上まで行ける乗鞍岳(標高3025m)に行きました。3000m級の山の壮大さに感動し、趣味としての私の登山が始まりました。

平湯以降はキャンプ場から近くの山に登るキャンプをしました。2008年に木曽駒ケ岳(標高2956m)にロープウェイで行った時に、頂上近くでキャンプをしている人たちを見て山の上で泊まりたいという気持ちが強くなりました。

山の道具はとても高価ですが、なんとか山用のテントと家族5人分の寝袋を用意し、2009年に立山(標高3015m)に行きました。室堂でバスを降りて1時間ほどでテント場に着くのですが、荷物の重かったこと。この重さに家族は負けて、その後は家族全員で山に行くことはなくなりました。それからは、私が2人分の荷物しか持てないので、子供ひとりを連れて山キャンプを楽しみました。しかし、子供たちが中学に入るとさすがに付き合ってもらえなくなります。それまでは土日は仕事(MOTも)をするか、子供達と遊ぶかしかしてこなかった私は休日にやることがなくなり2015年に山岳会の門をたたきました。

北アルプスの秘境、仙人池からの剱岳
2.山岳会と異業種交流

入会した山岳会は当時で60年の歴史があり、会員も100人を越える大所帯です。
これまでは夏の縦走はしていましたが、山岳会の人達は雪の上でもテントを張って登っている。。。ついていけるのかな~と不安になりながら入会しました。
山岳会の組織は、会長、副会長から始まり、いろいろな計画を確認する山行管理委員、山の道具を管理する装備係、山の勉強をする勉強会係、新しく入る方の対応をする新人係のほか、企画、総務、会計等の係があります。山岳会特有の係もありますが、その他は会社と同じような組織になっています。会員には、各種メーカー、IT、製薬、医療、衣料、商社、銀行、保険、証券、食品、印刷、派遣運営、税理士、弁理士、行政等、いろいろな業種の方がいます。私の属する建設業の方も多く、設計や施工、審査会社や不動産会社社長も在籍しており、山岳会メンバーで建設業ができてしまいそうです。いろいろな機能がついたホームページはIT関係の方が、記念等でつくるTシャツも会員のイラストレーターのプロの人たちが作ってくれました。芝浦MOTでいろいろな方と異業種交流を経験しましたが、この山岳会ではもっと広い世界での異業種交流ができ、山以外の仕事や個人的なこともいろいろと相談できる人達ができました。

山岳会に話しを戻すと、登山技術等を教えてくれる企画が計画した講習会等の他に、各自がメンバーを集めて山に行く個人企画があります。この個人企画は、リーダーが山行計画をホームページにアップし、募集をかけて人を集めて実施しますが、ここではどうやったら人が集まるか、企画力、計画書のプレゼンテーション能力、営業力が問われます。また、いくつかの山行計画が重なるとLINEのやりとりが頻繁になり、あっちの計画とこっちの計画等、マルチタスクな頭を養わないとついていけなくなります。また、登山は危険が多いので、参加するメンバーによっていろいろな調整が必要になり、実際に山行中にいろいろなことが起きるので、突発的な判断が求められ、マネジメント力が重要になります。最近は、コロナ禍での活動について、東京都山岳連盟に属した山岳会として社会的責任等も含めて活動をどうするべきかという、会社経営に近いような議論をしています。これは、普段仕事で使っている能力以上のことが求められている気がします。

雪の八ケ岳、雪山は神秘的でとてもきれいです
3.会社と山岳会

山岳会に入る前の私は、100時間を超えるくらい毎月残業をしていました。そのため、MOTに通っていた時も体力的には苦しいことはありませんでした。今の働き方改革から考えると恐ろしい世界です。山岳会メンバーには残業がほとんどないという方もいて、私の常識が世間の常識でないことを思い知りました。山岳会に入る前の私は、目の前の仕事はすべて自分でやってから次に進むというタイプでした。毎週末に山に行きたくなった私は、申し訳ないと思いながら部下にいろいろな仕事を回すようにしました。しかし、これによって不満が増えるどころか、部下がやる気を出し、部下が大きく成長しました。この数年、みんなで仕事を進める重要性を認識しました。さらに、私の仕事に余裕がでてきたため、余った時間で設計ではあまりやっていなかった受注の営業協力や物件スタート時の段取り、技術開発に時間を割くようになりました。このおかげで、(会社の判断はわかりませんが)当社オリジナル商品を盛り込み、当社に優位性のある仕事ができるようになったような気がします。山岳会に入って、仕事の仕方が変わり、また周りも含めて大きく成長したのではないかと思っています。

4.最後に

コロナ禍のため山岳会としての活動ができず、ここのところみんなで山に行くことができなくなっていますが、山岳会に入って上高地から見たプロの人しか登れないと思っていた奥穂高岳に登り、感動した乗鞍岳には雪山で登りました。入会当初は山々を縦走することが楽しく、北アルプスに5日間こもったりしていましたが、今では雪山が一番好きになり、最近は登山道のないバリエーションルートやロープで安全を確保しながら登る登攀に行くことが多くなってきました。まだまだ山の楽しみがいっぱいあり、これからも素晴らしい仲間と登山を続けたいと思います。

最近は仲間とロープをつないで登る山が楽しい

仕事では、本年度から設計の実務ラインではなく、BIM企画という新設部門を任されました。建設業で大流行中のDXを担う部門です。今までのように専門性を活かすことができず、昔からのしきたり等を変えていかなければいけない仕事で、少し悪戦苦闘しています。芝浦MOTを卒業してからもうすぐ10年になりますが、当時読んでいた本を読み返し、マネジメントとは何か、組織の変革とは等を考える毎日が続いています。あらためて、芝浦MOTを卒業してよかったと思います。今後も先生方や皆様のご指導を頂きながら、人生を楽しんでいきたいと思います。

剱岳 山では突然絶景が現れ、大きな感動があります

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